太良町町勢要覧
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ヒラメの種苗生産ガザミの種苗標本左からふ化後15日、22日、35日ガザミ蓄養 近年、地球温暖化や有明海の海況の変化などにより、有明海に生息するタイラギの数が激減しています。昭和60年代に2千トン近くあった漁獲量が平成11年には65トンに。漁師たちは漁の期間・時間の制限などに努め、その甲斐あって平成21年には、13年ぶりに漁獲量が上がりました。 タイラギの漁獲量の安定に向け、今後は「獲る漁業」から「つくり育てる漁業」への転換が望まれます。現在、太良町では佐賀県有明海漁協や佐賀県有明水産振興センターなどさまざまな関係機関と協力してタイラギの稚貝移殖実験を行い、タイラギの生育調査や養殖技術の開発、有明海再生に取り組んでいます。つくり育てる漁業へタイラギ養殖の技術促進 漁協大浦支所にある「栽培漁業センター」では、ガザミ(竹崎カニ)の種苗生産や蓄養、ヒラメの種苗生産など「つくり育てる漁業」に向けた研究・開発を日々行っています。 その中で特に力を注いでいるのが、ガザミの蓄養です。佐賀県有明水産振興センターの協力を得て平成19年から「ガザミ蓄養試験事業」を行っています。 これは、晩夏から秋にかけて漁獲され、比較的商品価値の低い軟甲ガザミを一定期間蓄養して甲羅を硬くし、需要が高く品薄になりやすい春先の時期に安定した供給を行おうというものです。囲い網式の屋外水槽に軟甲ガザミを入れ、餌の種類や給餌回数、蓄養密度、底質など条件を変えて比較し、より質が良くなる育成方法を研究しています。事業を開始して4年が経ち、軟甲ガザミは身が詰まった味の良いカニに成長。今後は、沖合での蓄養を試み、上質のガザミを安定供給できるよう研究が続けられます。※蓄養…漁獲された魚介類を区画された水面の中で飼育すること。養殖の研究・開発を続ける栽培漁業センター50001,0001,5002,0002,5003,000(トン)太良町のタイラギ漁獲量の推移昭和56年昭和60年平成2年平成7年平成12年平成17年平成21年移殖実験での稚貝の追跡調査の様子19

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